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加藤 茜*; 金子 政志; 中島 覚*
RSC Advances (Internet), 10(41), p.24434 - 24443, 2020/06
被引用回数:6 パーセンタイル:31.74(Chemistry, Multidisciplinary)高レベル放射性廃液中のルテニウム化学種の安定性を予測することを目的として、硝酸溶液中のルテニウムニトロシル錯体の錯生成反応を密度汎関数法(DFT)を用いて調査した。DFT計算によって得られた[Ru(NO)(NO)(HO)]の最適化構造を既報の実験値と比較した結果、Ru-配位子結合距離やIR振動数を再現することが分かった。幾何異性体間のギブズエネルギーの比較した結果、硝酸イオンの錯生成反応は、Ru-NO軸に対してエクアトリアル平面に配位することによって進行することが明らかになった。また、逐次錯体生成反応におけるギブズエネルギー差を見積ったところ、Ru錯体種と置換する配位子との会合エネルギーを考慮することによって、6M硝酸中のRu錯体種のフラクションを再現することに成功した。Ru-配位子との配位結合の解析の結果、Ru錯体種の安定性は、トランス影響に起因する電子密度の違いによって説明できることが示唆された。本研究は、硝酸中における白金族元素の詳細な錯生成反応のモデル化に寄与することが期待される。
山下 祐司*; 斉藤 拓巳
Journal of Environmental Chemical Engineering, 3(4), p.3024 - 3029, 2015/12
腐植物質はサイズや官能基組成の点で不均質な天然有機物であり、幅広い金属イオンと結合し、動態を変化させる。本研究では、ナノメートルスケールの連続的なサイズ分画が可能な流動場分画法を用いて、腐植物質のサイズ分布に与える有機酸の影響、および、腐植物質の分子サイズに依存した金属イオンの結合量の比較を行った。通常、pH緩衝剤としてもちいられるTris, MES, MOPSの3種類の有機酸存在下でのAldrichフミン酸(PAHA)のサイズ分布を調べた結果、Tris, MESでは、それぞれ、サイズの増加と減少が見られ、MOPSでは、有機酸無しの場合と同様のサイズが得られた。これらの結果は、TrisおよびMESとの相互作用により、PAHAのサイズが変化したことを示唆する。MOPS存在下で、PAHAに結合したユーロピウムとウランのサイズ分布を調べたところ、これらの金属イオンが特定の5nmのサイズを持つPAHA分子に高い親和性を示すことが分かった。
斉藤 拓巳; 寺島 元基; 青柳 登; 長尾 誠也*; 藤嶽 暢英*; 大貫 敏彦
Environmental Science; Processes & Impacts, 17(8), p.1386 - 1395, 2015/08
被引用回数:9 パーセンタイル:32.46(Chemistry, Analytical)堆積岩系深部地下水より抽出された腐植物質は脂肪鎖および硫黄含有量に富み、サイズも小さく、表層環境由来の腐植物質とは異なっていた。一方、この深部地下水腐植物質のプロトン解離性官能基量は表層腐植物質と同程度であるにも関わらず、銅イオンの結合量は小さくなった。NICA-Donnanモデルの適用から、このような銅イオンの小さな結合量が、低pHにおいて、銅イオンが化学的に均質なカルボキシル基に単座配位で結合していることに起因することが示唆された。そして、pHの増加にともなって、結合モードから、単座から、カルボキシル基とアルコール性水酸基が関わる多座配位に変化することが分かった。本研究は、表層環境由来の腐植物質と比較して、深部地下水腐植の物理化学的性質やイオンとの反応性が異なることを示すものである。
尾崎 卓郎; 鈴木 義規*; 南川 卓也; 吉田 崇宏; 大貫 敏彦; 木村 貴海; Francis, A. J.*
Journal of Alloys and Compounds, 408-412, p.1334 - 1338, 2006/02
被引用回数:47 パーセンタイル:87.21(Chemistry, Physical)Eu(III)と土壌微生物シュードモナス,リンゴ酸,クエン酸及びシデロフォア(DFO)との相互作用を調べた。リンゴ酸はEu(III)に対する存在比が極めて大きい場合のみ、錯生成によりEu(III)のシュードモナスへの毒性を軽減させた。クエン酸とEu(III)はシュードモナスによって分解されない1:1錯体を形成した。Eu(III)はDFOに高い親和性を示すが、DFOから解離した水和イオンとしてシュードモナスに吸着した。時間分解レーザー誘起蛍光分光法により、シュードモナス上のEu(III)は多座の内圏配位錯体として吸着することを明らかにした。
桐島 陽; 木村 貴海; 杤山 修*; 吉田 善行
Radiochimica Acta, 92(12), p.889 - 896, 2005/01
被引用回数:24 パーセンタイル:81.07(Chemistry, Inorganic & Nuclear)放射性廃棄物の処分が計画されている地下環境では、地下水の温度が80C程度になることがある。このため地中でのアクチノイド元素の移行挙動評価には、このような高温,高圧環境での錯生成の評価が必要となる。しかし、実験の難しさからこのような条件での研究報告は非常に少ない。そこで本研究では錯生成や加水分解の挙動解明や熱力学モデルの検証などを目的とし、20-150C, 0.1-40MPaの条件でU(VI)のリン酸錯体及びフッ化物錯体の反応挙動を時間分解レーザー誘起蛍光分光法を用いて検討した。実験結果から各錯体種の蛍光寿命の温度依存性を整理し、高温・高圧状態においても常温・常圧状態の場合と同様に、蛍光スペクトルや蛍光寿命によるスペシエーションが可能であることを明らかにした。
渡邉 雅之; Mirvaliev, R.*; 館盛 勝一; 竹下 健二*; 中野 義夫*; 森川 公私*; 近沢 孝弘*; 森 良平*
Solvent Extraction and Ion Exchange, 22(3), p.377 - 390, 2004/06
被引用回数:32 パーセンタイル:65.75(Chemistry, Multidisciplinary)TPEN(N,N,N',N'-tetrakis(2-methylpyridyl)-ethylenediamine)とD2EHPA(di(2-ethylhexyl)phosphoric acid)を用い、オクタノールを有機相とすることでマクロ量の3価ランタノイドから3価アクチノイドを選択的に協同抽出できることを示した。見かけ上の分離係数(Am(III)の分配比のEu(III)の分配比に対する比)は、80程度を示し、先にJensenらにより報告された錯生成度定数の差からの予測値とよく一致した。この選択的分離には、抽出剤のモル比が重要で、D2EHPA:TPEN=2:1のとき最も選択性が良いことを明らかにした。この協同抽出機構を明らかにするため、オクタノール中でTPEN単独系、及びTPENとD2EHPA共存系について吸光光度滴定を行い、Ln(III)と抽出剤との錯生成平衡を解析した。その結果、TPENはEu(III)に1分子配位した錯体[Eu(TPEN)]を生成し、さらにD2EHPAは[Eu(TPEN)]に2分子配位すること,オクタノール中でTPEN-D2EHPA及びEu(III)の混合配位子錯体はかなり安定に存在することなどを明らかにした。また、D2EHPAとTPENはオクタノール中で2:1のモル比で会合しており、このことも協同抽出において重要な要因であることを見いだした。
渡邉 雅之; 南川 卓也*; 山田 鉄兵*; 木村 貴海; 並木 康祐*; 村田 昌樹*; 西原 寛*; 館盛 勝一
Inorganic Chemistry, 42(22), p.6977 - 6979, 2003/11
被引用回数:34 パーセンタイル:75.29(Chemistry, Inorganic & Nuclear)トリス(2-ピリジル)カルビノールとよばれる三脚状の配位子は、金属間距離が非常に短いランタノイド二核錯体を形成することを明らかにした。通常この配位子は三座配位子として働くが、本研究では頭頂部にある酸素ドナーをうまく架橋配位させることで、二核錯体を形成させることが可能となることを見いだした。合成されたEu(III)とTb(III)の錯体では、配位子から金属中心にエネルギー移動を起こすため、強い発光をしめすことが確認された。
杤山 修*
JNC TJ8400 2000-044, 53 Pages, 2000/02
フミン酸における高分子電解質と組成不均一性による効果を評価するために、Ca(II)とEu(III)のポリアクリル酸錯体やフミン酸錯体の生成定数をEu(III)は10-8M10-5Mの濃度範囲で、TTAとTBPのキシレン溶液を用いる溶媒抽出法により、10-10MCa(II)はTTAとTOPOのシクロヘキサン溶液を用いる溶媒抽出法により、10-4MCa(II)はCaイオン電極を用いて求めた。検討においては見かけの錯生成定数をa=[MRm]/([M][R])と定義し、イオン強度0.11.0MのNaClO4またはNaCl溶液中でpcH4.85.5においてlogaを求めた。ここで[R]は解離官能基の濃度、[M]と[MRm]はそれぞれ遊離及び結合している金属イオン濃度を表わす。Eu(III)-フミン酸錯体についてはloga=5.09.3、Ca(II)-フミン酸錯体についてはloga=2.03.4という値を得た。フミン酸およびポリアクリル酸のいずれにおいてもlogaはpcHまたは解離度と共に増加する傾向を示し、イオン強度の影響については、イオン強度が0.1Mから1.0Mに増加するとEu(III)のポリアクリル酸錯体のlogaは約1.6減少するのに対しフミン酸錯体のlogaは約0.7程度の減少となった、Ca(II)についてはポリアクリル酸1.9に対してフミン酸1.2の減少となった。金属イオン濃度の影響については、ポリアクリル酸では金属イオン濃度の影響を受けないが、フミン酸では金属イオン濃度が増加するとlogaが減少する。また、Eu(III)-ポリアクリル酸錯体のlogaはCa(II)の共存により変化しなかったが、フミン酸錯体のlogaはCa(II)が共存しないときに比べEu(III)濃度に依存して00.8程度減少する。フミン酸と金属イオンの錯生成が金属イオン濃度の影響を受けるのは、フミン酸中に錯生成力の違うサイトが共存しているためと考えられる。
高橋 嘉夫*; 薬袋 佳孝*; 木村 貴海; 目黒 義弘; 富永 健*
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.353, 0, p.189 - 196, 1995/00
pH4.8から8、支持電解質濃度0.02から1mol/lで測定した、Eu(III)及びAm(III)とフミン酸の錯生成定数は、フミン酸錯体が水溶液系で主要な溶存種であることを示す。カオリナイト・水溶液間のEu(III)とAm(III)の分配係数は、溶液中のフミン酸により強く影響をうけた。フミン酸の吸着は鉱物表面へのアクチノイド(III)の定着を支配する要因として重要であると考えられる。
小林 大志*; 佐々木 隆之*; 北村 暁
no journal, ,
廃棄体由来の有機物であるイソサッカリン酸と類似した化学構造を有するグルコン酸共存下でのジルコニウム溶解度を測定した。溶存ジルコニウム濃度の水素イオン濃度およびグルコン酸濃度に対する依存性からジルコニウム溶解度に及ぼすグルコン酸の影響について熱力学データに基づく解釈を試みた。
寺島 元基; 斉藤 拓巳*; 石井 智子*; 伊藤 美貴*; 赤木 洋介*; 舘 幸男
no journal, ,
放射性Euと溶媒抽出法を用いて、幌延の地下研究施設の深度250mの深部地下水に溶存するフミン酸と低濃度のEuとの錯生成データを取得し、市販のフミン酸の錯形成挙動との比較およびモデル解析から、深部地下水中の溶存フミン酸の低濃度Euとの錯生成特性を明らかにした。
小林 大志*; 佐々木 隆之*; 北村 暁
no journal, ,
イソサッカリン酸共存下における4価ジルコニウム溶解度を様々なpHおよびイソサッカリン酸濃度範囲で測定した。支配的な溶存化学種を推定するとともに、溶解度へのイソサッカリン酸影響を熱力学データに基づき定量的に考察した。
寺島 元基; 斉藤 拓巳*; 伊藤 美貴*; 赤木 洋介*; 舘 幸男
no journal, ,
幌延の深部地下水中の腐植物質(HS)に対するEuの条件付錯生成定数は、蛍光消光法や時間分解レーザー分光法を用いて評価した場合、イオン強度条件により表層のHSの値と比較して2桁程度小さくなることが報告されている。しかし、これらの分光学的手法は錯生成への応答感度が低いため、得られる知見は、高濃度のEuとの錯生成が対象となり、特定の結合サイトに係る評価に限定されていた。本研究では、放射性Euを用いた溶媒抽出法を、低濃度のEuと幌延の深部地下水中HSとの錯生成試験に適用し、その低濃度Euに対する錯生成能を表層のHSとの比較から明らかにした。
寺島 元基; 斉藤 拓巳*; 赤木 洋介*; 遠藤 貴志*
no journal, ,
深部地下水から分離・精製した腐植物質とEuとの錯生成データを元に、地下水中腐植物質に固有のNICA-Donnanモデルパラメータを整備し、その固有パラメータを導入したNICA-Donnanモデルを用いたEuと溶存有機物との錯生成モデリングから、腐植物質を対象に開発されたNICA-Donnanモデル・パラメータの適用性を明らかにした。
岩田 孟; 紀室 辰伍; 北村 暁; 宮部 俊輔*; 前野 真実子*; 田中 武流*; 檜枝 愛美*
no journal, ,
アルカリ性水溶液中(pH8.5, 10.0)におけるパラジウム(Pd)の溶解度に及ぼすイソサッカリン酸(ISA)濃度の影響を、溶解度実験によって調査した。Pd濃度は、ISA濃度の増大に伴い上昇する傾向を示した。本実験で取得した溶解度の結果より、平衡定数の算出を試みた。
紀室 辰伍; 岩田 孟; 江口 綾乃; 西川 義朗*; 舘 幸男
no journal, ,
TRU廃棄物処分の性能評価上重要な元素の1つであるテクネチウム(Tc)は、一般的に地下の還元的雰囲気では主に難溶性のIV価水酸化物(TcO・xHO)として存在すると考えられるが、有機物との錯生成によってその溶解度が増加し、移行挙動が変化する可能性がある。また、TRU廃棄物に含まれる有機物のうち、セルロースの分解生成物であるイソサッカリン酸(ISA)は、処分後の核種移行挙動評価に影響を及ぼすと考えられているものの、錯生成定数等の熱力学データが不足しており、基盤データを充実させていく必要がある。本研究では、IV価TcO・xHO(s)を初期固相とし、異なるpH,ISA濃度条件下におけるTc溶解度を測定し、その錯生成反応を検討した。その結果、Tc溶解度は[ISA] = 110M以上の領域で顕著に上昇することが明らかとなった。また、フィルター孔径依存性があることから、Tc溶解種としてコロイド粒子の形成が示唆された。
佐藤 颯人*; 戸田 賀奈子*; 別部 光里*; 天野 由記; 宮川 和也; 斉藤 拓巳*
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の最終処分として、地層処分が技術的実現性の点から妥当であると考えられている。地層処分の安全評価には、地下環境下での放射性核種の移行速度や地質媒体との反応を知る必要がある。中でも、地下水中に普遍的に存在する溶存有機物(DOM)は、放射性核種と錯体を形成することでその電荷やサイズを変化させ、核種の移動性や岩石表面との相互作用を変化させうる。本発表では、3価アクチニド元素の模擬元素としてEu(III)を用い、蛍光分析で得られるDOMとEu(III)の結合性を高分解能質量分析の結果と関連づけることで、Eu(III)と結合するDOM成分の分子的特徴を評価した。消光実験の結果得られた三次元蛍光分析のPARAFAC解析から4個の蛍光成分が抽出できた。これらの成分の寄与は、地下水の採水場所によって異なり、また、各成分はEu(III)に対して異なる結合性を示すことが確認でき、DOMの分子的特徴によって錯生成挙動が異なることが明らかになった。